英語の遺言書について
わたしの親戚には外国の人がいて、日本語も流暢なのですが基本的に英語で喋る人がいます。
その人が具合が悪くなって命の危険がある病気になってしまって、遺言書を書こうという話になりました。
わたしはその人と仲が良かったので書き方などを聞かれて調べたのですが、自分で書きたいという要望だったので彼の好きな英語で書くことになりました。
最初は内心英語で書いたら親族が読めないのではないかと心配になりましたが、遺言書といっても難しいことを書くわけではなく簡単な文章で書くといわれて安心しました。
遺言書には必要な手続きがあって、誰に遺産を渡すか印鑑をどうするか必要書類をどう用意するかなど調べてみると大変でした。
その書類などはわたしが集めておきましたが、その後遺産分配などを書き終わり弁護士に預けました。
それで終わるかと思ったのですが、今度は法的なものではない遺言を書こうという話になって手伝いました。
自分の病気の事や心のなかで思っていたことなど、そういうことを少しづつ書いていって一つの本としてまとめていました。
それも英語だったの後から読めるかどうかと思っていたのですけど、仕方がなかったのでわたしが訳を隣に書いて読みやすくしおきました。
やはり外国の人だと自分の気持や考えを自国の言葉で表したほうが上手く表現できるようで、日本語のほうが良かったのでしょうけど彼の意思を尊重しました。
彼のつけたノートは色々な思いや自分の病気の事などをつづり、その後は病気が治らなかった時にどうしてほしいかを書いていました。
延命治療なども今はありますから、彼は治るならやって欲しいけど治らないなら無理にやらなくていいと書いていました。
その後は自分がもし亡くなった時は臓器提供などをすると書いていて、自分の体を死後使えるなら使ってほしいと書いていました。
そして葬儀のことも書いていました、日本人ではないですからキリスト教のどこの教会に頼むかなど細かい指示を書いてありました。
その一つ一つを確認しつつ翻訳し隣に書いていたのでずいぶん長いものになりましたが、ある程度書き終わったら彼はすごく安心していました。
病気になると明日どうなるかわかりませんから不安だったのでしょう、その準備が終わって心が落ち着いていたのだと思います。
その親戚の人は亡くなってしまいましたけど、遺言の書類や伝えたかった思いなどをできるかぎり残すことができたので良かったと思っています。