遺言で相続人以外の人に財産を残せるようにしました
私は今年78歳になります。
現在は、自分名義となっている家に、数年前に亡くなった長男の嫁と2人暮らしをしています。
夫は8年前に病気で亡くなっていますので、もういません。
次男と三男が県外に住んでいますが、それぞれの嫁の実家との付き合いはあるようですが、私の方とはすっかり疎遠になってしまっています。
遠く離れた場所に住んでいますし、それぞれ忙しいでしょうから、疎遠になってしまうのは仕方がない部分もあると思いますし、長男の嫁が一緒に暮らしてくれていますので、寂しい思いをすることはありません。
長男の嫁は結婚と同時に同居してくれたので、かれこれ30年近く一緒に生活している計算になります。
改めて考えてみれば、実の子である次男や三男よりも長い時間を一緒に過ごしてきたことになりますので、気持ち的には血の繋がった家族と全く変わりのない存在です。
残念なことに長男との間には子供ができませんでしたが、仲良く2人で暮らしています。
長男が亡くなった時、嫁は出て行くこともできたのですが、実家は他の兄弟が継いでいるし、両親は既に他界しているから戻る意味もないと言って、そのまま私のそばにとどまってくれました。
私としては、自分の年齢が年齢ですので、これから先のことを考えると一人ぽっちで暮らしていくのは正直大変だと思っていましたから、彼女が家に残ってくれると言ってくれて本当に助かりました。
今更よく知らない土地に引っ越して、あまり親しくもない次男や三男の嫁の世話になるのは正直言って気が進みませんでした。
でも、長男の嫁が一緒に暮らしてくれているおかげで、住み慣れた街で今まで通りの生活を送ることができています。
しかし、考えてみると、長男が亡くなってしまった今となっては、私が死んでも嫁自身には相続権がありませんから、ヘタをすると、嫁は住んでいる家から出て行かなくてはならないことになってしまいます。
私の寿命があとどれくらいあるのかはわかりませんが、私が死ぬ頃には嫁もかなりの年齢になっているはずです。
高齢になってから住む家を失ってしまうのはかなりキツいので、今住んでいる家を何とか嫁に残してやりたいと考えました。
そこで、市の無料法律相談でお世話になった司法書士の先生に相談して、嫁に自宅を渡すという内容の遺言書を作成しました。
私はよく知らなかったのですが、司法書士の先生の話だと、2人の息子には遺留分というものがあって、私の全財産の2分の1を超える部分についてまで嫁に残すという内容の遺言書を作っておいても、ひっくり返されてしまう可能性があるのだそうです。
幸い、私名義の土地と預貯金が別にあるので、それらのものを息子2人に相続させる内容にしました。
これで、嫁に家を残してやれると思い、ホッとしています。